老いた自分を想像できますか?

筋肉について

【はじめに】

2021年も残りわずかとなりましたね。みなさん今年はどんな一年でしたか?どんな一年だったか振り返るときに、いろいろな経験を思い返すと同時にやり残したことや決めた目標が未達成なことなどありますよね。僕も「今年こそは!」と決めたことのうち未達成なものも何個かあります。^^;

そんな目標の中にダイエットや生活習慣を良くする等を設定していた方も多いのではないでしょうか?

スタイルを良くしたい、以前よりも体が疲れやすい、健康診断で引っかかったからなど理由はさまざまですが、どれも今よりも改善して”将来の自分のためにという共通しているのではないでしょうか?

近い将来のことはある程度、現在の自分の行動などで想像することはできます。

しかし、遠い将来や老いた自分のことを想像することは難しいと思います。

現在から将来にかけてどれくらい変化するのかを、今回は老いと筋肉という視点から解説していこうと思います。

【ポイント】

今回のポイントは2つ!

1.お金だけじゃなく筋肉も貯 ”筋” しよう 〜サルコペニア〜

2.貯筋のためにできること

【解説】

1.お金だけじゃなく筋肉も貯 ”筋” しよう!〜サルコペニア〜

皆さんは、”ちょきん”をしていますか?ちょきんと言われるとイメージするのはお金のことですよね。

お金の貯金は、銀行に預けている人や自分で管理している方もいますよね。そのお金は使わなければ価値の変動がない限り1,000円は1,000円のままですよね?

しかし、筋肉の貯”筋”ではそうはいきません。使わなければ徐々に減っていきます。

骨格筋料は40歳を過ぎる頃から毎年0.5%ずつ減り、65歳以降になると減少率が大きくなり、20歳から80歳の間で約20〜30%の骨格筋量が減少する。この骨格筋量の減少は筋力低下とも関係しており、筋力は20〜30歳代をピークに徐々に低下し始め、60歳以降はさらに低下が進み、80歳代の筋力は30歳代と比べると30〜40%の低下をきたす。

宮本省三ら著(2018年)『人間の運動学 ヒューマン・キネシオロジー』協同医書出版社(pp.207〜208)

加齢によって骨格筋量の減少と筋力の低下することをサルコペニア(sarcopenia)と言います。

使わなければ徐々に減っていく、将来、旅行や友人との交流の場に行きたくても自分で動ける範囲が縮小されてしまう。縮小された分、お金を支払うことにも繋がります。本来、思い出のために使うお金がいつの間にか自分が動くためだけに使われる費用になってしまいます。そう考えると筋肉貧乏にはなりたくありませんね^^; 

2.貯筋のためにできること 

では、貯筋のためにはどうすればいいのか?そもそも、サルコペニアはどうやってなってしまうのか?

サルコペニアの発症要因

①低栄養

②筋タンパク質合成能の低下

③末梢神経支配の衰弱

④活動性の低下

⑤生体内ホルモンバランスの変化

⑥炎症性サイトカインの上昇、

⑦酸化ストレス、などが関係しています。

これらを防ぐ事が大事になりますね。

この中でも、①低栄養、④活動性の低下に関しては改善できるものとして取り組みやすいです。

骨格筋の合成促進には筋収縮(レジスタンス運動)とたんばく質の摂取の要素が不可欠であることは臨床研究などにより確認されています。

サルコペニア者の場合

加齢によって食事や点滴などを用いてたんぱく質を摂取しても、体ではたんぱく質を作られにくくなる状態(筋蛋白同化抵抗性)があります。この筋蛋白同化抵抗性の改善のためにレジスタンス運動とたんぱく質の摂取が重要です。

レジスタンス運動単独よりもたんぱく質摂取との併用が、筋力増強および骨格筋量増加効果が得られやすいです。

ただし、短期的(3ヶ月以内)であれば効果は得られにくく、3ヶ月以上の継続することが必要です。

一般の方であれば、日常的な食事から十分なたんぱく質を摂取できている場合が多いので気にならないと思います。

ですが、逆に十分なタンパク質を取れていないと筋肉をつくる上で問題となってくるでしょう。

一般的なたんぱく質の量に関しては、

成人男性(ふつう:Ⅱ )は、18〜29歳で86〜133g/日、30〜49歳で88〜135g/日、50〜64歳で91〜130g/日、65〜74歳で90〜120g/日、75歳以上では79〜105g/日。

成人女性(ふつう:Ⅱ )は、18〜29歳で65〜100g/日、30〜49歳で67〜103g/日、50〜64歳で68〜98g/日、65〜74歳で69〜93g/日、75歳以上では62〜83g/日。

このような値が目安になっています。下記の表も参考にしてください。

(出典:日本人の食事摂取基準(2020 年版) 「日本人の食事摂取基準」策定検討会報告書 より) 

少し長くなったので今回はこの辺で終えたいと思います。

次回は、サルコペニアと廃用症候群について違いなどまとめたいと思います。

それではいい健活をお過ごしください。

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