筋トレをしていると、体が全体的に熱くなってきますよね。
特に狙って動かした筋肉のところが熱くなりますよね。
また、ベンチプレスをした直後は胸が大きく(パンプアップ)なったように感じますよね。
その際に起きていることは、”収縮”です。収縮を感じるということを言いますが、実際はどの様になっているのでしょうか?
目次
- 収縮とは?
- なぜ収縮させると熱くなる?
- パンプアップとは?
・収縮とは?〜ざっと解説〜
前回、収縮を意識するためには関節運動を意識することが大切とお伝えしました。
収縮のメカニズム(キーワード)
・ミオシンとアクチン
・筋の収縮と弛緩に必要な「ATP」
今回、こちらの文献を参考にしました。
・筋収縮の張力は、ミオシンとアクチンとの重なり合う部分で発生する。
・筋の収縮と弛緩は、ATPの存在下でミオシンとアクチンの相互作用で起こる。
中村隆一ら著(2016年)『基礎運動学 第6版』医歯薬出版株式会社(PP.76〜77)
では筋肉を細かく見ていくと、「筋→筋束→筋線維→筋原線維→筋フィラメント」となります。
筋収縮に主に必要となる筋フィラメントにはミオシンとアクチンという2種類があります。
筋フィラメントについては別の機会で説明します。
このミオシンとアクチンの2つが重なり合い収縮が起きます。
このミオシンとアクチンが収縮と弛緩するときは、ATPの濃度によって変化します。ATPの濃度が低いと収縮し、高いときは弛緩します。
ATPとは、アデノシン三リン酸の略であり生き物がエネルギーを必要とするときに使われる物質(化合物)だと思ってください。
図. ミオシン→→ATP(濃度が薄い)→→アクチン =重なり合おうとする
ミオシン←←ATP(濃度が濃い)→→アクチン =距離ができる
ATPの濃度によってミオシンとアクチンによる収縮と弛緩が決まる。
・なぜ収縮させると熱くなる?
筋肉を収縮させるためにミオシンやアクチンを言われる筋フィラメントという細かいレベルでの重なり合いによって起きていますが、熱くなるのはなぜでしょうか?
それは、収縮によって運動を行うことができますが、収縮によって発生するのは運動で約20〜25%、それ以外のほとんどが「熱」になるからです。
身体運動の効率は、多くは25%以下であり、残りの75%以上のエネルギーは熱として放出される。
中村隆一ら著(2016年)『基礎運動学 第6版』医歯薬出版株式会社(PP.211)
とあり収縮によって運動と熱が発生し、その3/4が熱ということです。
また、全体的に体が熱くなるのは血液循環によって全身に伝わり体温の上昇をもたらしてくれるからですね。
寒い時に体がブルブル震えるのは、筋肉によって熱を発生させ血液の循環で体を温めようとする反応ということですね。
・パンプアップとは?
パンプアップとは、一般的に筋トレなどをした後に筋肉が大きくなったように感じる状態です。
実際に筋肉自体が大きくなっていると言うよりは、筋肉と周囲の組織の容量が増えたことにより大きくなったように感じます。
筋肉は収縮すると運動の強さによって、筋への血流低下が発生します。
筋収縮による筋への血流の低下あるいは遮断の程度を反映している。
中村隆一ら著(2016年)『基礎運動学 第6版』医歯薬出版株式会社(PP.211)
とあります。
また、筋肉を動かすとなると酸素を必要とします。そのため、酸素を運ぶ血液を増加させることになります。さらに血管自体も拡張し血流が増加します。ちなみに血流を筋肉に増大させるとその分、胃や腸、肝臓などの内臓の血流が低下します。
簡単に言うと、筋肉には多くの血管が通っています。筋収縮により筋肉の圧力が上昇し血管の通り道を遮断してしまうということです。
またそれらにより、最大の筋力で収縮できるのは、6〜7秒しか維持できません。
75%では30〜35秒、50%では1分、25%では3.5時間収縮が可能になります。
パンプアップは血管に富んでいる筋肉に、収縮の強度によって血流の低下が起きており水分や血流が滞っているため、一時的に大きくなったような感覚になるということですね。
まとめ
今回は筋肉の収縮についてお伝えしました。
僕は筋トレをしてパンプアップした体を見ると「今日も頑張ったな」と達成感があります!ですが、帰宅し汗を流そうとシャワーを浴びる際にパンプアップを終えた状態とのギャップはすごいですよね^^;
でも、汗をかいたということは全身に運動時の熱が伝わったということです。
しかも、狙った筋肉が熱くなってパンプアップしていれば収縮を確実に促せたということになります。
あとは筋肉の回復と筋肥大のために、しっかり栄養と睡眠をとる事が大事ですね。
今回は以上です。では、良い健活を。
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